連載 『この世の楽しみ』 第二回
公開日:2018年05月18日 最終更新日:2021年05月08日
レイ「皆さ~ん、今日は新しい仲間が入ります」
『この世の楽しみ』 第二回
『東京表画記』
登場人物は以下の人の声を想像しながら読んでいただくと、より一層楽しめます。
綾波レイ:中川翔子
惣流・アスカ・ラングレー:稲垣早希
ウルトラマン:近藤 久
ナレーター:永井一郎
ウルトラマン「年季が入ってますねぇ」
ナレーター「そう、ここに写っている手踊りたちは、レッドキングが1999年(バンダイ)製、ミクラスが90年代の復刻(M1号製。オリジナルはマルザン。また、実際は手踊り人形ではなく、可動部のない置物)である以外は2000年の製品(ビリケン商会製*)なのだが、このぺギラは1966年(増田屋)製の“当時もの”なのである」
レイ「というわけで、これは状態がいい方なんですが、一か所、困った部分があります」
写真でお判りいただけるでしょうか? これは左の翼、後ろ側なんですが、その端の部分に大きな気泡による成形不良があります。
この製品では同部位に同様の成形不良のあるものがとても多く、この個体は“マシ”な方です。
今回はこれを治そうというわけですが…。
問題はこの成形不良がAのようになっているのか、Bのようになっているのかで、治療方法は変わってくる、ということ。
竹籤を突っ込んで確認してみると…。中まで突き抜けている、つまり、Bのようになっていることが判りました。
そこで、小さく切ったサラシに“軟質ビニール用接着剤”を染み込ませて穴の内側から当て…。
乾いたら成形色に似せて調色した塗料を塗ります。あとは古い塗装をアセトンで落とし、リペイントすると…。
レイ「す、凄くイイです! このヨさに一番気づいていないのはメーカーの人なんじゃないでしょうか?
これで『凍る極光ライン』も人形劇で表現することができるでしょう。観たいですよね、師匠」
アスカ「あ、いや、別に…」
レイ「師匠はナゼこの素晴らしさが判らないんですか? 少しは恥ずかしいと思ってください!」
アスカ「あ痛たたた! 恥ずかしい、恥ずかしいです!」
こうして、多賀もちゆきの下では、怪獣たちに日夜新しい生命が与えられ続けているのです。
それでは、また来月。
ナレーター「ある日の根須公園。その池に浮かぶ謎の生物の影。その姿を捉えた写真を持つ医師…。その生物の正体とは? 次回『この世の楽しみ』 『外科医の写真』。君は生き延びることができるか?」
*当会メンバー・増山 努がパッケージを描いています。