あだち協働パートナーサイト大衆芸術開拓組合活動報告文化・芸術連載『この世の楽しみ』第四回

連載『この世の楽しみ』第四回

公開日:2018年07月31日 最終更新日:2021年05月08日

『土用丑の日』

登場人物は以下の人の声を想像しながら読んで戴くと、より一層楽しめます。

綾波レイ:中川翔子
惣流・アスカ・ラングレー:稲垣早希
モグネチュードン:柴田秀勝
ナレーター:林原めぐみ

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レイ「土用丑の日ですが、多賀もちゆきは貧しくて最近は鰻なんか食べられません」
アスカ「だから、いちいち大きな声で言うことでもないやろ」
レイ「2年程前でしたか、代用品の穴子の蒲焼というのを食べてみましたが…。おいしくありませんでした」
アスカ「そらそうや。食材には合うてる調理法がそれぞれあんねん。そやから穴子の天婦羅はあるけど鰻の天婦羅はないやん」
レイ「さすが私の師匠。見識にとても生活感が溢れています」
アスカ「誉めとるんか、それ」

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レイ「でも、近所の惣菜屋さんに鰻串というのがありまして(蒲焼を焼き鳥みたいな小さな串にしたもの)、何とかそれは食べることができました」
アスカ「まあ…よかったやん…」
レイ「そこで、今、一番期待しているのは“鰻味の鯰”です」
アスカ「でも、それ、できた時どこで売るんやろ? 老舗の鰻屋さんはプライド高いから、鯰なんか捌いてくれへんのと違うか?」
レイ「それは鯰屋さんでしょう」
アスカ「そんな店、あるん?」
モグネチュードン「蛇屋さんより少なそうですね」

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レイ「新しく創ればいいのです。需要は開拓するものです」
アスカ「お客、来るやろか…」
レイ「大丈夫です。宣伝文句も考えてありますから」
アスカ「どんなん?」
レイ「『土用丑の日 鯰食ふ可し 源内』というのはどうでしょう」
アスカ「それ、“嘘”やん」

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ナレーター「は~い、命の危険を感じるような暑い夏も、国家と国民のために日夜戦う少年戦車兵・霧島マナです。
 蒲焼の代用品は、穴子よりウツボ(あれ、何で漢字出ないんだよ。魚偏に単-の旧字-だよ)の方が鰻の味に近いそうですよ。あ、でも小骨が多いから気を付けてね。
 それから、鯰は揚げ物にして食べると今のままでも充分美味しいです。
 え?次回? 予告を言ってもなかなかその通りにできないから、楽しみに待っててね。
 ミンキーモモじゃありませんでした~」

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